2024年01月26日
「このまま会社を続けられるのだろうか?」「自分は経営者に向いていないのでは?」……こんな不安をお持ちの社長様も多いかと思います。経営者は自分自身で考えて行動をして会社を運営していかなければなりません。いざとなればご自身だけでなくご家族や従業員も路頭に迷うリスクがあります。非常に強いプレッシャーが掛かり続けるため、不安に思われるのも当然です。
今回はそんな経営者の方のために、不安を和らげる考え方と具体的な方法についてご紹介します。
経営者が不安を感じる要因
不安を和らげるためには、まずは不安要因を把握する必要があります。「何に対して不安に思っているのか?」「どんなときに不安を感じるのか?」を知れば、対策をとることができます。経営者が不安を感じる要因には以下のようなものが挙げられます。
売上の激減 | 事業継承の失敗 |
上顧客の喪失 | 経営者の個人的問題の発展 |
得意先の倒産 | WEB・デジタル化への遅れ |
有能な社員の離職 | 膨大な負債・借金 |
社員の裏切り、横領、トラブル | 新規事業の頓挫 |
損害賠償事件 | 市場の変化・時流についていけない |
融資却下 | 漠然とした不安 |
以上のような要因のいずれか、あるいは複数の要因で不安を感じられている経営者の方が非常に多いのです。
経営の不安を解消する方法
経営者には以上のようにさまざまな不安がつきまといます。会社の業績から従業員との関係、市場や社会情勢の変化、トラブルなど、非常に多種多様です。いずれにせよ、不安要因を取り除かないことには経営者の方の心が晴れることはなく、会社もなかなか上向きません。
ここからは経営の不安を解消する方法を不安度順にご紹介しますので、ぜひ以下のようなことを実践してみてください。
【不安度:低】不安に感じる要因”の明確化
繰り返しになりますが、まずはご自身の不安要因を明確にしましょう。人間、知らないことがある、明確になっていないことがあると不安を感じます。事業を運営するにあたって不明瞭になっている部分があることで不安が増大している可能性もあります。
不安要因が明確になれば経営課題も明らかになります。たとえば売上の減少が不安要因であるのであれば、向上させる方法が明確になったとき、あるいは実際に売上が上がったときに不安が払拭されるでしょう。そのためには集客に力を入れる、商品の魅力を向上させる、売り方を考えるというように、今後すべきことも明らかになります。
【不安度:低】ご自身の健康・体調管理
思い詰めているとより不安が大きくなり、不安要因以外の事柄や大したことがない問題に対しても不安を感じるようになってしまいます。積み重なった心労は正常な判断力を簡単に失わせてしまうものです。このまま無理し続ければ経営に重大な問題が発生したり心身に支障をきたしたりするおそれもあります。
たまには事業を忘れ、自分が健康に、楽しく過ごせる時間を作ってみましょう。ご家族と過ごす、旅行に行く、趣味に没頭するなど、なんでも構いません。これは考えたくないことを後回しにするのではなく、冷静になるための大切な時間です。少し事業を離れることで、新しいアイディアも浮かんでくるかもしれません。
【不安度:中】事業撤退ラインの決定
事業を続けていくうえでは撤退ラインを決めておくことも重要です。赤字を垂れ流し続け、借金を繰り返した結果、損切りが遅れて取り返しのつかない状態にまで追い込まれてしまった経営者の方も数多くいらっしゃいます。
「売上が○○円を下回ったら撤退」「利益率が○○%になったら撤退」というようにラインを決めておけば損切りするかどうかで迷うことが少なくなります。また、撤退ラインが明確になっておりかつ会社の状況が把握できていれば、早めの対策も可能となります。
【不安度:中】キャッシュフローの理解
キャッシュフロー(お金の流れ)を理解されていない経営者の方も意外と多いです。今会社にどこからいくら入ってくるのか?どこへいくら出ていくのか?利益率はどれくらいあるのか?会社にいくら残っているのか?把握できていますか?
特に「会社に現金がない」「支出が多すぎて困っている」という不安がある方は、まずはキャッシュフローを把握しましょう。そうすれば取るべき対策もわかってきます。
【不安度:中】”借金”に対する考え方を変える
「借金=悪」というイメージはありませんか?確かに個人が借金を背負うと大変な思いをします。しかし、会社に借金があるのは珍しいことではありません。優良企業でも融資を受けて設備投資をしたり新規事業を立ち上げたりといったケースは普通です。
また、融資を受けることで銀行との関係が構築でき、追加融資や緊急融資を受けられやすくなるなどのメリットも得られるのです。「借金=必ずしも悪ではない」という考え方をするだけでも、だいぶ気が楽になります。
【不安度:高】あらゆる想定事態に対し、相談先を決めておく
不測の事態が発生したときに、人は大きな不安を感じます。しかしながら、経営者は不測の事態の連続です。従業員のこと、売上や経費のことから、ご自身の健康やメンタルのことまで、想定しうるあらゆる事態に対して、「こうなったらこうする」とシミュレーションしておきましょう。これで緊急事態が発生したとしても不安にならずに冷静に対処できるようになるはずです。
また、「雇用のことで問題が発生したらこの人に相談する」「売上が下がったらこの人の力を借りる」というように相談先を決めておけば安心感が得られます。
【不安度:高】コンサルタントに相談する
相談先としておすすめなのはコンサルタントです。特に業績が悪化して不安な方、赤字続きで困られている方は、事業再生に特化した経営コンサルタントに相談されることをおすすめします。第三者目線で会社を見てくれて具体的な方策についてアドバイスが貰えるはずです。
ただし、中には経営者を騙そうとする、自分の利益優先で悩みに寄り添ってくれないコンサルタントも存在します。信頼できる相手を選ぶことが非常に大切です。
自分にあった相談先を見つけましょう
経営に不安はつきものです。事業がうまくいっている経営者の方でも、そうでない経営者の方でも、大なり小なり不安をお持ちです。特に事業がうまくいっていないときは不安が大きくなりますが、そのままにしておくとやがて会社経営やご自身の心身に重大な問題を引き起こしかねないため、早めに解消しましょう。
東京事業再生コンサルティングセンターは事業再生に特化したコンサルティングサービスをご提供しています。この30年間で50社以上の中小企業様を優良黒字企業にV字回復に導いてきました。経営者様のご不安やお悩みに寄り添いながら、第三者視点で事業を分析し、良い方向に改善できるよう施策をともに考えて行動をサポートします。
経営にご不安を感じられているのであれば、業績不振でお悩みであれば、まずは私たちにご相談ください。
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本コラムの監修者
事業再生コンサルタント
清水 麻衣子
元銀行マンで、多くの顧客の相手をしてきた実績と数々の中小企業を見てきた知見をもって、東京事業再生コンサルティングのコンサルタントへ。
通常のコンサル会社におけるコンサルタントとは大きく違い、豊富な知識と現場のリアルを把握している、企業を想った本質的なコンサルが魅力。