経営者が抱える借金のストレスを解消する4つの事実

2024年01月19日

借金を抱えられている経営者の中には多大なストレスを感じられていらっしゃる方も少なくありません。ストレスを抱えたままだと経営判断を誤ったり心身に不調をきたしたり、さまざまな弊害が発生するリスクが高くなります。そうなってしまえば事業が立ち行かなくなり、返せるものも返せなくなってしまうでしょう。
この記事では借金でお困りの経営者様のために、経営を上向かせてストレスを軽くする方法を解説します。よく追い詰められた社長さんがしがちなNG行動についてもご紹介しますので、今一度ご自身を顧みてみましょう。

まずは、ストレスの原因を正確に把握しましょう

借金によるストレスは想像以上に大きいです。従業員にも家族にもわかってもらえずつらい想いをされている方もいらっしゃるかと思います。
まずは「借金でストレスが溜まっている」というように漠然と考えるのではなく、「何に対して一番不安を感じているのか?」「どんなときにストレスを感じるのか?」をしっかりと究明しましょう。ストレスの原因を明確にしてそれら一つ一つに対して冷静に対処していけば、ストレスも軽くなり会社を取り巻く状況も改善されるはずです。

  • 資金調達の繰り返しに疲れた
  • 融資の長い審査時間が耐えられない
  • 経営状況が良くないから融資のアピールができない
  • 借金が増えていくことがただただ不安
  • 会社の連帯保証人になっている
  • 様々な支払いが滞っている
  • 従業員がどんどん退職している
  • 薄利多売で仕事を受け、キャパオーバー
 

原因その1)資金調達の繰り返しに疲れた

金融機関から融資を受けるまでには書類を作成したり手続きをしたり審査を受けたり、するべきことが山のようにあります。非常に多忙となり神経をすり減らすような作業が続いた結果、大きなストレスを感じるようになったという方も少なくありません。

 

原因その2)融資の長い審査時間が耐えられない

融資を申し込んで審査が行われて実際に資金が調達できるまでには数週間~1ヶ月以上、もしくはそれ以上に時間がかかる場合があります。支払いがかさみ会社の状況が悪化していく中で融資が下りるかどうか不安な気持ちを持ち続けるのも大きなストレスがかかります

 

原因その3)経営状況が良くないから融資のアピールができない

融資を受ける際には金融機関の担当者と面談して会社の財務状況を説明しなければなりません。特に経営状態が悪化していると説明する内容を考えるだけでも一苦労であり、改めて会社の状況を客観視することで、精神的に追い詰められるケースも考えられます

 

原因その4)借金が増えていくことがただただ不安

借金を抱えていれば毎月返済を続けていかなければなりません。返せないとなると信用を失う、会社が倒産するといった事態にもつながります。借金の存在自体が大きなプレッシャーとなりストレスの原因になり得ます

 

原因その5)会社の連帯保証人になっている

会社と経営者は別人格なので、通常は会社の負債が経営者のものになるということはありません。しかし、中小企業では経営者が連帯保証人となって融資を受けるケースが多いです。仮に会社の融資が返済不能となったら経営者に返済責任が生じるので、これも大きなストレスになります

 

原因その6)様々な支払いが滞っている

借金の返済が厳しい状況になると、人件費や外注費、仕入れ代金、賃料、光熱費など、会社のさまざまな支払いも困難になります。毎月頑張って稼いでも利益が残らずどんどん借金の利息のみが増えていくという状況も経営者にとっては非常にストレスです

 

原因その7)従業員がどんどん退職している

会社の財務状況が悪化すると将来を悲観した従業員が退職してしまいます。せっかく育てた従業員が離れていってしまうことほど経営者として悲しいことはありません。また、従業員が離職することで業務がまわらなくなれば、経営者自身はもちろん従業員の心身にも大きなストレスがかかることになります。

 

原因その8)薄利多売で仕事を受け、キャパオーバー

売上が減ってくると薄利多売な仕事も請けて利益を少しでも確保しようと思われる経営者の方も少なくありません。しかし、それでキャパオーバーを起こすこともしばしばあります。頑張っても頑張っても全然儲からないという状況に、経営者も従業員も疲弊しきってしまいます。

経営者が借金のストレスからやってしまう良くないこととは?

以上のようにストレスの原因を究明してそれを一個一個潰していけば、状況は今よりも好転する可能性は十分にあります。とはいえ、「一刻も早く状況を改善したいから」「もうこのストレスから開放されたいから」と経営者の方が誤った選択をしてよけいに自分の首を締めてしまわれるケースも非常に多いです。
ここからは借金によるストレスからよく経営者がやりがちなNG行動について見ていきましょう。

  • リースなどによる固定費の増加
  • 支払いのストップ
  • 個人でのカードローン
  • 休業
 

リースなどによる固定費の増加

会社の財政状況が悪化したらまずは支出を抑えることが大切です。しかし、必要経費まで抑えてしまえば売上が上がらなくなってしまいます。そんな中で、必要経費だと考えていた、良かれと思ってやったことが裏目に出てしまうというのはよくあり得ることです。たとえば設備を売却してリースに切り替えた結果、かえってリース料の支払いに負われるというケースがしばしば散見されます。

集客できず利益を生まないホームページをリースで維持し続けている、本当に必要かわからない福利厚生を実施しコストをかけて続けているなど、挙げれば枚挙に暇がありません。経営改善を行う際には、固定費の費用対効果をしっかりと検証し、必要なものと不要なものを的確に判断しましょう。

 

支払いのストップ

借金の返済が厳しくなると支払いをストップさせがちですが、これも極力避けましょう。よくあるのが外注費や給料です。確かに事情を説明すれば取引先や従業員は支払いを待ってくれるかもしれませんが、経営者に対する不信感が大きくなり、取引停止や離職につながってしまいます。

家賃や光熱費、経費などの支払いに関しても遅延が発生することで業務に支障が出る可能性があります。

 

個人でのカードローン

会社の負債を軽減するためにカードローンや消費者金融で個人的に借金を抱えられる経営者の方もいらっしゃいます。しかし、これは非常に危険です。

カードローンや消費者金融は確かに銀行融資と比較すると借り入れがしやすいですが、利息が非常に高くなります。会社の借金の穴埋めに経営者個人がどんどん借金をして返しきれなくなれば自己破産するしかありません。会社も経営者も共倒れの状態となります。

 

休業

「これ以上借金を増やしたくないから」といって会社を休業させるのも悪手です。休業すれば外注費や光熱費、仕入れなどの経費は抑えられるかもしれません。しかし、同時に売上も失うので何も状況は改善しないどころが、むしろ借金の利息が膨らんでよけい苦しくなる可能性のほうが高いのです

また、休業中は従業員に対して休業手当を支払わなければなりません。法人住民税や固定資産税などの税金も支払い続ける必要があります。

経営者の借金によるストレスを解消する4つの事実

借金のストレスがあるからといっても経営者は休むことはできません。事業を継続し返済を続けていかなければなりません。ここからは認識を変えるだけで、借金のストレスを解消する方法を4つ見ていきましょう。

 

無借金経営が必ずしも正解ではない

まず前提として借金があることは悪いことではありません。適正に借り入れをすればむしろメリットにつながります。融資を受ければ銀行との取引関係が構築できるため、いざというときに緊急融資を受けやすくなります。審査では融資実績や返済実績が見られるため、借り入れがしやすくなるというメリットも生まれます。

有名企業や黒字優良企業でも、銀行から融資を受けて事業を回しているケースは非常に多いです。

 

過剰に倒産を恐れる必要はない

倒産=悪、倒産=終わりというイメージもあるかもしれません。しかしこれもそうとは言い切れない面があります。むしろこれ以上借金が膨れ上がらないよう早めに事業をたたむことで、ご家族や従業員、経営者自身へのダメージを軽減することにもつながります。一旦は撤退して準備を整えてから再スタートを切れば、借金を返済できて再び稼げるようになれる可能性も残っています

こちらの記事「9000万円の借金を抱えて「全店閉店」に追い込まれた経営者のその後」では9,000万円もの借金を抱えて倒産に追い込まれた経営者の再起までの道のりが綴られています。勇気づけられる内容になっていますので、ぜひ一度読んでみてください。

 

豊富な銀行融資以外の選択肢

銀行融資がストレスの原因となっている方は、融資以外の方法で資金調達を試みるのも手です。以下のようにさまざまな手段で事業の運転資金を資金を賄うことが可能です。

▼ベンチャーキャピタル

ベンチャー企業を対象とした投資会社や投資ファンドを指します。ベンチャーキャピタルに株を売却して資金を得ることが可能です。

▼クラウドファンディング

インターネットを通じて一般の人から少額出資を募る方法です。出資者には商品やサービスの提供などのリターンを用意します。方法次第では多くの資金が集められ、会社や商品の認知度アップにもつながります。

▼補助金と助成金

国や地方自治体では経済の活性化や雇用促進を目的としたさまざまな補助金や補助金制度を用意しています。返済やリターンが不要ですが、手続きが煩雑なのがデメリットといえます。

▼遊休資産の換金

使っていない不動産や車両、設備、在庫などの遊休資産を売却することでも資金を調達することが可能です。こちらも借金を増やさずに資金を賄うことができますが、売却して利益を得た場合は翌日の税負担が重くなる可能性があります。

▼ファクタリング

売掛金がある場合はファクタリングを活用するのも手です。売掛債権をファクタリング会社に売却することで、売掛金分の金額から手数料を引いた現金が得られます。

▼M&A

会社全体あるいは事業の一部を別会社に譲渡する方法です。赤字事業を譲渡して会社をスリム化する、会社全体を譲渡して譲渡先のもとで立て直しを図るなど、さまざまな方法があります。

 

いくらでもある相談先

経営者は孤独です。しかし、身近に相談できる人がいない、わかってくれる人がいないからといって、焦る必要はありません。経営を助けてくれるコンサルティング会社は数え切れないほどあります。ただ、その中には悪徳業者や口ばかりで寄り添う姿勢がない会社も多いのが実情です。

数ある相談先の中から、貴社の再生を第一に考え、かつ本質的な課題の解決に取り組んでくれるコンサルを見極めることが非常に重要です

【経営者の方へ】借金でストレスを抱えているなら”決断”しましょう

借金を抱えられていてつらいという気持ちはわかります。しかし、だからこそ早めに動く“決断”をしましょう。そうすれば経済的な負担が軽減され、早くストレスから開放されます。

借金でどうにもならない、返済に困っているという経営者様は一度東京事業再生コンサルティングセンターにご相談ください。これまでさまざまな企業様を優良黒字企業へのV字回復へと導いてきました。まずは経営者様と本気で事業の立て直しを目指すため、最初の1年間は無料でコンサルティングいたします。ぜひ、一人で悩まず、私たちにご状況をお聞かせください。

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本コラムの監修者

事業再生コンサルタント
清水 麻衣子

元銀行マンで、多くの顧客の相手をしてきた実績と数々の中小企業を見てきた知見をもって、東京事業再生コンサルティングのコンサルタントへ。

通常のコンサル会社におけるコンサルタントとは大きく違い、豊富な知識と現場のリアルを把握している、企業を想った本質的なコンサルが魅力。