2020年05月21日
会社や経営者を救う方法論は1つじゃない。その場の状況に応じて「ベスト」を尽くせ
スタッフさんの方で現状について整理したあと、どのような「事業再生」を実施していったのですか?


当社が実施したのは、前田さん自身の「個人再生」です。
当社スタッフが、前田さんの会社をチェックしたときには「もう再生の余地がない」所まで来ていました。正直なところ、前田さんの会社をМ&Aしてくれる会社を見つけるのは、到底困難だろうと判断しました。
しかし、やりとりをしていくなかで、前田さんの“再起への情熱とやる気”には大変驚かされました。「お手伝いできることがありません」と正直に申し上げることもできましたが、第一歩を踏み出そうとしている前田さんの力になりたい、と強く思ったんです。我々を信頼し、頼りにしてくれる。だったら、ベストを尽くそうじゃないかと。
なるほど。少しでも力になりたいと思ったのですね。


その通りです。「前田さん自身はどうしたいのか」しっかりヒアリングしつつ「我々ができることがないか」を模索した結果、「ビジネスパートナー」として、共に新しいビジネスを創造していこうという結論に至りました。
予想外の結果ですね。詳しくお聞かせいただけますでしょうか。


今ある会社を立て直すのはどう考えてもむずかしいという結論に至ったのですが、前田さん自身は「まちがいなく無限の可能性を秘めている方」だと感じました。前向きなお人柄、人材業界での実績、人脈、売上を作っていこうという気概など、総合的にたいへんリスペクトできる方です。とにかく素晴らしい。
だから、ビジネスパートナーとして、前田さんと一緒にお仕事することは、我々としても、「大きなシナジー効果が期待できる」と確信したんです。私自身、人材派遣業に大きな関心もありましたので、前田さんがこれまで培ってきた人材業界における人脈を生かしつつ、我々が得意とする不動産分野を掛け合わせることで「新しいビジネス」が創造できるのではないかと。
前田さんの素地を生かした再生戦略というわけですね。経営者の救済方法は1つではないと。経営者自身の個性・可能性・人となり・人脈などをつぶさに見たうえで、総合的に「どんなサポートを行うのがベストか」考えるといったところでしょうか。
そういったなかで、今回の場合は「ビジネスパートナーとして協働する」のがベストだったと。


その通りです。
経営一人ひとりの可能性を考え「どういったサポートを差し伸べるのがベストか」、我々は真剣に考えています。
なるほど。前田さんに可能性を感じた部分は他にもありますか?


前田さんについては「思い切りの良さ」にも驚かされました。
どうすることもできない会社に固執したり、しがみついたりする姿勢は一切ありませんでした。会社の状況を冷静に分析して「まずは自分が稼ぎ頭になって、地道に再起を図ろう」と考えたわけです。すさまじい胆力ですよね。その姿勢に感動しました。
自分の会社を存続させることばかりにこだわり、結局立ち行かなくなる経営者も多いと聞きます。「優先順位」を見失ってしまう人が多いのかもしれません。
たしかに、前田さんのご決断は、並々ならぬものだと感じました。


我々のところには、さまざまな経営者さんが相談にくるのですが、ご自身のことを「一国一城の主(あるじ)」だと勘違いしている人が、たまにいらっしゃいます。
自分の会社は自分のものだ。株式譲渡も事業売却もしないで立て直しをしてほしいの一点張りで「ベストな方法論」を話し合う余地がない経営者さんもいます。
なるほど。自分は殿様で、自分の会社のことをあたかも「お城」であるように考えていると。


その通りです。話し合いができないので、我々としても、どうすることもできずに終わってしまうパターンも少なくありません。
しかし、本当に窮地に立たされたときには、冷静になってほしい。そして「今、この現状において、経営者自身が再起を図るためには、何をするべきか」しっかり考えてほしいと思います。
経営者さんと我々がお互いに知恵を出し合えば、よりよい結果が得られるはずです。少しでも『一歩を踏み出そう』と考えている経営者さんを、私たちは応援していますから。
窮地に立たされたとき、経営者には、現状の問題を冷静に把握しつつ、本気で立ち向かおうとする「覚悟」が必要だということですね。


その通りです。 人間、生きていれば、誰だって失敗することはある。長い人生、つまづいてしまうことなんて、山ほどあるものです。そのようなとき、自分のプライドに縛られず、どれだけ状況を冷静に判断しつつ、「立ち上がろう」という気概が見せられるか。そこれが重要な気がしますね。
会社にとって何よりも大切なのは「人」
少し話は変わりますが。経営者というものは、どういう心がまえでいるべきだと思いますか。やや経営哲学的な質問になりますが。


「会社は、人(=従業員)に支えられて成立するもの」だと考え、まずは人を大切にすることを考えるべきだと思っています。そこを勘違いして、おごっていると、経営がうまくいかなくなるのではないでしょうか。
私は「社長」なんていうのは、あくまで「役割」に過ぎない。えらくなんかないと本気で思っています。誰だって、会社設立の登記をすれば社長になれる。だから、社長は、ちっとも特別な存在なんかじゃない。常に、従業員とは”対等なパートナー”であるべきだと考えています。
そうですね。どんなに素晴らしいビジネスモデルを構築したとしても、人を大切にしない会社が永続することはむずかしいかもしれませんね。 最後にお伝えしておきたいメッセージなどはありますでしょうか。


このインタビューで繰り返しお話している通り、私は「ビジネスにおいて重要なのは人」だと思っています。今の会社でうまくいかないならば、輝ける場所を探せばいいだけ。今、経営者さんが苦しい思いをしていたとしても、能力が開花できるフィールドはいくらでもあるはずです。
私は、前田さんのように、自分が輝ける場所を見出すことで、再出発し輝きを取り戻した経営者さんを数多く見てきました。新しいフィールドでイキイキと活躍する経営者さんを見届けることは、私にとっても大きな喜びです。
困ったことがあれば、ひとまず我々を頼ってほしい。一緒にじっくりお話合いを進める中で、できることを一緒に考えていきましょう。苦しい思いをしている経営者さんの力になりたい。そう本気で思っています。
本日はありがとうございました。

経営者様を救う方法は1つじゃない。我々と「ベストな戦略」を考えましょう
今回のインタビュー記事にある通り、経営者様を救う方法は決して1つではありません。
当センターでは、企業再生や事業再生を手がけていますが、経営者さまご自身の「個人再生」によって、再出発をサポートすることもあります。
また経営者様がイキイキとした笑顔を取り戻せる日がくるようにー
我々が粘り強くサポートいたします。まずは現状についてじっくりをお話をお聞かせください。そのうえで、やれることを一緒に考えていきましょう。
困ったことがあれば、いつでもご相談ください。
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