資金繰りがピンチでも諦めるな!法人が緊急で即日融資を受けるコツ

2019年12月04日

急な損失が出たり、利益が減ったりして会社の資金繰りがピンチ。倒産の秒読み段階。そんな状況でも諦めないでください。即日融資を受けることで、窮地を脱することができるかもしれません

今回はいざというときのために知っておきたい緊急時の資金調達方法を元銀行員が解説。それぞれメリット・デメリットもご紹介します。

まずは銀行に相談しよう!

お金に困ったらまずは日頃取引がある銀行に相談しましょう。すぐに資金を調達できるような手段を提案してもらえるかもしれません。

ただし、今まで取引実績がない銀行に行っても、お金をポンと借りられるというのは難しいでしょう。いざというときのためにも、日頃から銀行と良好な関係を構築しておくことをおすすめします。

即日融資できる?!手形貸付と手形割引の存在

手形貸付」や「手形割引」という手段を使えば、比較的早く資金を調達することができます。

手形貸付とは?

借入用の手形を銀行に発行してお金を借りる方法です。手形とは「いつ、だれが、いくら払うか?」を記した有価証券です。当座預金口座を開設しているのであれば、この手形預金が使えるようになっているはずです。

手形割引とは?

期日前の約束手形を担保として銀行からお金を借りる方法です。銀行は手形の期日に手形の振出人から支払いを受けます。

銀行に相談するメリット・デメリット

メリットとしては通常の融資よりも低金利であること。手形貸付の利息の相場は年1~4%程度です。前述のとおり、当座預金口座があれば利用できるので、銀行との関係が構築できている方にはおすすめしたい資金調達方法です。

一方で、銀行への相談や借入枠の設定を行う必要があるのがデメリット。通常の融資と比べると早くお金が借りられるのですが、それでもある程度の時間がかかってしまいます。

スピード融資の決め手!属性スコアリング審査とは?

事業資金の融資ではお金が借りられるまでに短くても1週間程度、最長で6週間ほどの期間を要するのが一般的ですから、緊急事態が発生したとしても法人が銀行から即日融資を受けるのは不可能です。しかし、属性スコアリング審査を導入している金融機関を選べば、スピーディーにお金が借りられるかもしれません。

属性スコアリング審査とは?

従来、銀行融資の審査は人が行っていました。審査担当者が申込者の属性を確認して、「お金を貸しても良いか?返済してもらえそうか?」を判断してきたのです。属性スコアリング審査ではそれをコンピュータに組み込まれたAI(人工知能)が行います。消費者金融などはすでに属性スコアリングを導入している会社も多く、即日で借り入れることも可能となりました。

仮審査では属性スコアリング審査を、本審査では担当者による有人審査を行うという銀行も増えてきました。即日融資とまではいかなくとも、審査時間の短縮に寄与しています

属性スコアリングの仕組み

そもそも属性とは融資を受けようとしている人や企業の情報を指します。個人であれば職業や勤め先、年収、勤続年数などがローン審査のときに見られます。こういった情報を属性と呼ぶのです。

属性スコアリング審査は各属性情報に対してコンピュータがスコア(点数)をつけ、その合計が基準値に達しているかどうかで審査を行う方法です

法人情報の開示情報

法人が融資を受ける場合、以下のような情報を開示することで、金融機関の属性スコアリング審査を受けることができます。

  • 売上総利益
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 税引き前当期純利益
  • 当期純利益
  • 資金使途の妥当性
  • 担保、保証人

属性スコアリング審査をわかりやすく例えてみましょう。以上のような属性情報にコンピュータが以下のように点数付けをしていきます。

  • ・売上総利益=20点
  • ・営業利益=15点
  • ・経常利益=5点
  •  ︙

合計すると40点です。仮に審査のボーダーラインが35点であれば審査合格です。逆に基準が45点以上だと不合格となります。

即日融資の味方!消費者金融のビジネスローン

以上のように、属性スコアリング審査の導入などで自動化が進むことで、銀行融資の審査期間も今後短くなっていくでしょう。しかし、銀行で即日融資を受けられるのはまだまだ不可能なのが今の状況。法人が緊急で資金調達を行う手段としては現実的ではありません

今は銀行カードローンや消費者金融カードローン、おまとめローンやクレジットカード会社のキャッシングなど、さまざまな融資商品が巷にあります。やはり即日融資を受けるのであれば消費者金融のビジネスローンが確実。法人の代表者、特に中小規模の事業者、あるいは個人事業主を対象とした、ビジネスに特化したローン商品です。銀行融資よりも圧倒的に審査期間が短く、会社やプランによっては即日融資を受けることも可能。緊急用のつなぎ資金として消費者金融のビジネスローンを活用している法人経営者も少なくありません。

ビジネスローンのメリット

なんといっても一番大きなメリットは審査期間が短いということです。前述のとおり、銀行の場合は借り入れまでに1~6週間ほどかかります。消費者金融の場合は比較的審査基準が緩く、属性スコアリング審査の導入も進んでいるため、早ければその日のうちに資金を調達することも可能です

しかも銀行ローンの場合は担保や保証人を用意しなければいけませんが、消費者金融なら不要な場合もあります。そういった意味でも、銀行融資より格段にハードルが低いのです。

ビジネスローンのデメリット

ビジネスローンは銀行融資と比べて高い金利が設定されている傾向があります。最低で年利3%~。場合によっては利息制限法に定められている上限年利15%ギリギリの金利が設定されることもあります。

前述のとおり消費者金融は審査難易度が低めなので、貸倒れが生じる危険性も高くなります。そのため、高めの金利を設定してリスクに備える必要があるのです。安易にビジネスローンを利用した結果、利息だけが膨らみ自己破産をしてしまう方も少なくありません

絶対に即時融資したい!即日融資のコツ4選

金利が高いビジネスローンですが、即日融資を受けられるのは大きなアドバンテージ。すぐに借りて、すぐに返済する。緊急時のつなぎ資金を調達する方法として検討する価値は大いにあるでしょう。ここからは、法人が即日融資を受けるためのコツを4つ伝授します。

① 事前準備が肝心!必要書類を用意しておく

ビジネスローンであれ、銀行融資であれ、借入を行う際には必ず審査があります。収入を証明する書類、法人の代表者の場合は確定申告書などの提出を求められるでしょう。事業計画書や決算書を提出しなければいけない場合もあります。

少なくとも、確定申告書、事業計画書、決算書、会社と代表者の印鑑証明書、商業登記簿謄本はいつでも提出できるよう準備しておきましょう。常日頃から緊急時の資金調達に備えてこれらのものを手元に置いておくと良いかと思います。

② 申込みは午前中に

ビジネスローンで調達した資金は銀行口座に振り込まれます。銀行振込の締切は15時まで。15時ギリギリの時間に申し込みをした場合、即日融資を受けられないという事態も考えられます

ビジネスローンで即日融資を受けたいのなら午前中に申し込むのがおすすめ。遅くとも正午までには申し込みを済ませておきたいところです

③ 申込内容に誤りがないか再確認

必要書類も準備した、午前中に申し込みを済ませた。でも、申込み内容に間違いがあることが発覚すると、審査が最初からやり直しになってしまい、結局即日融資が受けられない危険性もあります。必ず申し込み内容に誤りがないか、申し込み書を提出する前にもう一度確認しましょう

また、意図的な虚偽申し込みが発覚すると、待たされた挙げ句に審査落ちとなってしまい、資金調達自体が失敗することもあり得ます。相手が誰であれ、お金を借りるときに嘘偽りを言うのは厳禁です

④ 申込先を複数社用意する

審査基準は会社によって異なるものです。A社ではダメでも、B社ではOKというケースもあり得ます。万が一審査に落ちたときのことを考え、申込先を複数ピックアップしておきましょう

審査スピードが早い順に申し込みを行い、仮にA社で審査に落ちたらB者に申し込むという順番で申し込むことで、即日融資が受けられる確実性が高まります。

最終手段!即日融資が断られたときの対処法

消費者金融やローン会社で即日融資を断られたとしてもまだ諦めないでください「ファクタリング」と「手形割引」という最終手段があります。これらの方法を使えば時間がかかる審査を受けることなく、確実に資金を調達することが可能です。

ファクタリング

未回収の売掛金がある、つまり取引先に対して売掛債権がある状態であればファクタリングがおすすめです。ファクタリング会社に売掛債権を売却することで、その代金を手に入れることができます

例えば、1ヶ月後に100万円の売掛金が入金されるという売掛債権があったとしましょう。この債権をファクタリング会社に売却することで、100万円までの現金をその場で得ることができるのです。(厳密には手数料がかかるので、上限額はもう少し減る可能性があります)その後、売掛金が入金されたらファクタリング会社にそれを支払います。

売掛金を前倒しで得られる仕組みだとイメージするとわかりやすいです。なお、ファクタリングは融資ではないので、信用情報に傷がつくことはありません。ローン審査やクレジットカードの審査も問題なく通ります。

手形割引

約束手形を保有しているのであれば、先程もご紹介した手形割引もおすすめです。通常、手形決済をした場合は、期日まで現金を得られることはできません。たとえば手形のサイトが120日だとされていたら、手形の振り出しから120日後でないと現金を得ることはできないのです。

しかし、手形を担保にして銀行や手形買取会社から資金を調達することが可能です。将来得られるお金を前倒しして得られるという点では、ファクタリングと似ています。

しかし、手形割引にはリスクも伴います。仮に振出人が倒産して手形が不渡りとなってしまった場合、その手形を買い戻さなければいけません。そのため、ファクタリングよりもハードルが高い手段だと言えます。

また、法人が手形割引で即日資金調達を行うためには、予め銀行で手形割引の融資枠を設定しておく必要があります。緊急時に「手形があるから買取って欲しい」と銀行に申し入れても対応してくれませんので注意が必要です。

ちょこっと豆知識。総量規制とは?

借入をする際には「総量規制」を頭に入れておきましょう。どんな規制なのか?なにが対象になるのか?ご説明します。

借りれるのは年収の3分の1まで?!

借入はいくらでもできるというわけではありません。貸金業法では年収の3分の1以上の貸付が禁止されていて、これが総量規制と言われています。過剰な貸付から消費者を守ることを目的としてこのような規制が敷かれました。

逆に借りる側から見ると、いくらお金が必要であっても年収の3分の1以上は借りることができないというわけです。

たとえば、年収が300万円であった場合、100万円までなら借入可能。それ以上になると借りられないということになります。

総量規制の対象外もある?

ただし、「なにがなんでも借金は年収の3分の1まで」ということではありません。これまでご説明してきたビジネスローンは総量規制の対象外なのです。

法人を運営するためには多額の事業資金が必要です。それを調達するためには申し込んだ人の年収の3分の1では足りないことも考えられます。そのため、法人向けのビジネスローンは総量規制の対象にはなっていないのです。

ただし、年収の3分の1以上の金額を借り入れる場合は、事業計画書など書類の提出を求められる場合もありますので、その点は注意しておきましょう。

そろそろ資金繰りがヤバい!即日融資を受けたい!ぜひ当社までご相談を

融資やビジネスローンでは必ず即日で資金調達ができるとは限りません。仮にできたとしても高い金利を支払いきれず、結局倒産してしまうというリスクも伴います。赤字企業再生支援センターなら最大3,000万円まで最短即日出資が可能。緊急時であっても潤沢な運転資金を調達することができます

ただ、目先のつなぎ資金を賄ったとしても、経営体質が改善されなければ、近い将来また同じことが起こります。当社ではファンドとして出資した後に安定的な利益を作る基盤づくりもお手伝い。「マーケティング」と「経営コンサルティング」という2つの側面からサポートを行い、赤字からの脱出を目指します。

資金繰りがやばくなってきた、いよいよ消費者金融に駆け込まなければいけない状況になった……そんなときには、赤字企業再生支援センターにご相談ください。

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本コラムの監修者

事業再生コンサルタント
清水 麻衣子

元銀行マンで、多くの顧客の相手をしてきた実績と数々の中小企業を見てきた知見をもって、東京事業再生コンサルティングのコンサルタントへ。

通常のコンサル会社におけるコンサルタントとは大きく違い、豊富な知識と現場のリアルを把握している、企業を想った本質的なコンサルが魅力。