事業拡大をするはずが資金繰りに頓挫。出資と仕入れ改善で立ち直ったセレクトショップの事例

2019年03月19日

事業内容と状況

業種 イタリアハイブランドのセレクトショップ
従業員数 15人
出資額 1,500万円
状況 六本木でイタリアの高級ブランド品を輸入・販売する事業を行っている。アパレル業界ということもあって、もともと銀行からの出資が受けづらい状況だった。事業を拡大するにあたって新しいラインナップの商品を大量に輸入。仕入れ資金が増加し、資金繰りが悪化。銀行に頼れず、弊社にご相談いただいた。

解決策

仕入れによって出た損失の補填と経営再建費用として弊社から1,500万円を出資。同時にキャッシュフローの改善にも着手しました。

もともと店舗自体は六本木では知名度があり、商品のクオリティーも高くて売れ行きも悪くないため、キャッシュフローの悪化は仕入れに要因があると分析。弊社で調達された現金を持参して海外の仕入先に訪問。再度、金額交渉を行い、仕入れ金額をディスカウントすることに成功しました。仕入れの方式もテコ入れをし、極力店舗で在庫をもたないように改善。輸送方法も見直し、仕入れにかかるコストを大幅に削減することができました。

前述のとおり、店舗への客足は悪くなく、新ブランドの売れ行きも好調だったため、仕入れコストを抑えることで利益が出る体質に改善することができました。

今回の一件を通じて仕入れや輸送の新しいノウハウも構築できたので、他のブランドにも横展開し、店舗のキャッシュフロー改善を実現。一時は資金繰りがショート寸前でしたが、見事事業拡大に成功。今では新しいブランドを積極的に取り入れ、さらなる事業展開を目指しています。

事業拡大を目指して資金繰りが悪化するというケースもよくあります。それまでは儲かっていても、新商品の仕入れや設備投資などで赤字に陥ったり、資金繰りがショートしたりする可能性も多々あるのです。

仮に資金繰りが悪化しても、本件のように原因をしっかりと突き止め、方法をさまざまな角度から分析してアクションを起こすことで、キャッシュフローを改善できる可能性が高くなります。

特に本件では出資で得た資金を持参して海外の仕入先に直談判するという戦略が功を奏しました。出資されたお金を「守り」に使うのではなく、「攻め」に使うこともできます。

紆余曲折ありましたが、結果として同店の事業拡大は成功したと言えます。出資で得た資金を有効に活用すれば、こうした逆転劇もあり得るのです。

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