倒産危機寸前!最後手段のリスケで必ず必要な経営改善計画書とは?

2019年11月25日

融資のリスケをする際に必ず提出を求められる経営改善計画書。これを銀行員が見て返済条件の変更に対応するかどうかを決めるわけですが、いったいどんな書類で、なにを書けば良いのでしょうか?

今回はリスケの審査に通る経営改善計画の立て方や、経営改善計画書を書くポイントを解説します。

そもそも「経営改善計画書」って何!?

経営改善計画書とは、その名の通り経営をいかに立て直すのかという計画を記した事業計画書のことです。事業再生計画書と呼ばれることもあります。

経営改善計画書の目的とは?

銀行や信用金庫などに融資が返済できず、リスケを申し込む際に提出が求められます。融資担当者は経営改善計画書を見ることで、「どうやって事業を改善して融資を返済していくのか?」「融資を返済できるだけの見込みがあるのか?」を判断するのです。

計画が不十分であったり、根拠が曖昧であったりした場合、リスケが認められない場合もあり得ます。経営改善計画書の内容がリスケの成否を左右すると言っても過言ではありません。

リスケをもう一度おさらい!

リスケとは「リスケジュール」の略。金融機関に融資の返済を猶予してもらったり、毎月の返済額を減らしてもらったりするなど、返済条件を変更してもらうことを指します。リスケをしてもらうためには金融機関に申し出をし、今回のテーマとなっている経営改善計画書を提出しなければいけません。その内容を見て金融機関側が「リスケをしても問題ない」「経営を建て直せて返済ができる」と判断されたら晴れてリスケしてもらうことができます。

銀行員を納得させよう!絶対クリアしたい重要な3つの基準とは?

銀行員が一番恐れるのは不良債権化し貸倒れになること。リスケには応じたくないのが本心でしょう。その上で、「これだったらリスケして問題ないな」「この計画だったら返済してもらえそうだな」と納得してもらうことが重要です。

特に以下の3つのポイントを満たしていれば、リスケに通る可能性が高くなります。

重要ポイント① 3年以内に黒字化

当然のことながら、銀行融資の返済は利益から捻出されます。赤字だということは返済に充てる原資がないということ。黒字に転換させることが最優先事項となります。それもなるべく早くする必要があります。10年後、15年後に黒字転換させると言っても遅いです。目標は3年以内。

まずは、赤字である現状からどう黒字に転換させるのか?その具体的なプロセスを記しましょう

重要ポイント② 5年~10年以内に債務超過を解消

次に重要なのが債務超過の状態を解消するということです。債務超過であるということは、創業から現在に至るまで赤字が累積しているということ。黒字に転換させた後、どのように借金を整理して今の状況から抜け出すのか?が重要です。

基本的には5年以内にバランスシート(貸借対照表)上で債務超過を脱することが求められます。ただし、中小企業の場合は少し余裕をみて、10年以内でも認められることもあるようです

重要ポイント③ 経営改善計画終了後(債務超過解消後)10年以内に借入金返済

経営改善計画書に書かれた内容を実行した後、もしくは債務超過の状態を解消した後に、リスケを申し込んだ金融機関からの借入金を10年以内に返済するための手段を考えましょう。

具体的には「借入金総額/(当期純利益+減価償却費)」が10年以内になるようにするということです。

もう一度端的に整理をすると、リスケが受け入れられるためには、「3年以内に黒字転換」「5年(10年)以内に債務超過を解消」「10年以内に借入金返済」が重要。これらの目的を果たすための具体的かつ現実的なプロセスを経営改善計画書に盛り込みましょう

どっちに該当する?意識すべき2つの計画書の違い

経営改善計画には「実抜計画」と「合抜計画」の2種類があります。これらは金融業界で使われる言葉で、リスケをする際に「実抜計画(もしくは合抜計画)を提出してください」と言われます。経営改善計画書を作成する際には、これらのことについても意識することが重要です。

実抜計画とは?

実抜計画とは「実現可能でかつ抜本的な計画」という意味です。実現できる手段をとり、経営を大幅に改革して借入金を返済できる体質に改善できる計画を立てなければいけません。金融機関は債務者を「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」というように格付けをしています。この実抜計画は比較的軽度な「要管理先」に位置づけられている企業に対して提出が求められます

具体的には「概ね3年後に債務者区分が正常先になること」「関係銀行の同意が得られること」「売上や利益などの予想数値が厳しめに設定されていること」が条件となります。

「実行可能」というのが大前提なので、計画書を作成した後は実行するだけの状態になっていることが重要です。また、楽観的な観測ではなく、リスクも鑑みた厳し目の数字にもとづいて計画を練る必要があります。

合実計画とは?

合実計画とは「合理的でかつ実現可能な計画」という意味です。経営改善に向けた合理的な根拠があって、しかも実現可能な計画を立てる必要があります。実抜計画は要管理先に求められるのに対して、合実計画はそれよりも重度な「破綻懸念先」に対して提出が求められます

経営状態が厳しい破綻懸念先は抜本的な改善を行う体力がないため、「合理的」という若干緩い条件となっているのです。また、大企業と比べてできることが限られる中小企業であれば、たとえ要管理先であっても合実計画の提出が認められます

具体的には「計画期間が概ね5年以内(中小企業は5年~10年以内)」「計画期間の終了後に債務者が正常先になること」「全ての取引先銀行において、金融支援を行うことについて確認できること」が条件となっています。

実抜計画が正常先になるまでに3年という条件が課されていたのに対して、こちらは5年という返済猶予が与えられています。

実抜計画と合実計画はどう違う?

実抜計画と合実計画。どちらも経営改善計画には違いありません。異なる点としては前項までで述べたように対象者や計画期間、内容にあります。

違いをわかりやすく表にまとめてみましょう。

実抜計画 合実計画
対象 要管理先 破綻懸念先
効果 その他要注意先 要注意先
計画期間 3年
(延長可)
5年以内
(中小企業の場合は5~10年)
条件 業績の見込みを厳しく想定した上で実現可能性が高い計画を作成 実現可能性が高い計画を作成
終了後の格付け 正常先 正常先(ただし、自力再生可能であれば要注意先でも可能)

▽図表 実抜計画と合実計画の違い

いずれも「実」という字が入っており、「実現可能性が高い計画である」ということが必須条件となっています。絵に描いた餅ではなく、現実できる計画を立てることが最も重要です

また、見込みについては実抜計画のみ「厳しく見積もりなさい」という条件が課されていますが、だからといって合実計画の場合は甘めに見積もったり、楽観的な観測をしたりすれば良いというわけではありません。上記のような実現可能性が高い計画を立てるためには、たとえ合実計画であってもなるべくリスクを想定して、客観的かつ厳しい見通しをもつことが重要であると考えます。

銀行員を説得できる!経営改善計画書を作る6つのポイント

リスケの申込みはいわばプレゼンテーションであり、経営改善計画はその資料です。融資返済の条件変更をしてもらうよう銀行員を説得しなければいけませんが、それにはしっかりとした材料が必要です。ここからは経営改善計画の書き方のポイントを6つご紹介します。

▽揃えるべき資料一覧

① リスケに陥った原因の説明

まず重要なのは「なぜリスケをせざるを得ない状況になったのか?」という理由の説明です。単に「返済を待ってくれ」では金融機関側も首を縦に振りようがありません。

作成ポイント

会社の沿革(創業からこれまでの会社の動きや取り巻く環境の変化)、経営不振の要因をまとめましょう。会社のこれまでの業績や投資の履歴、役員や社員の変遷、社会情勢の変化などの会社とそれを取り巻く環境の歴史をまとめることで、経営不振の原因も見えてくる場合があります。「ヒト・モノ・カネ・イベント・外部要因」に分けて、会社の動きを振り返ってみましょう。

注意点

「景気が悪いから」「トレンドが変化したから」といった外部要因が経営不振の原因になっているケースも多いのですが、だからといって外部要因のせいだけにしてはいけません。景気や社会情勢の変化に対応するのも経営者の責務です。外部要因も鑑みた上で、「経営の問題点はなにか?」客観的に原因を分析してみましょう。

② 具体的な改善方針

経営改善計画というからには、改善方針の内容が一番の肝となります。前項の原因を踏まえて、これからどのような施策を打ち、どう経営を立て直していくのか?を考えましょう。

作成ポイント

「●●をします」だけでは不十分。「誰が、なにを、いつまでに行うのか?」を必ず含めましょう。そして、その結果どのように状況が改善されるのか?いくら売上や利益が上がって、経費が削減できるのか?数字という明確な根拠を示すことで、説得力が上がります

注意点

前述のとおり、改善計画は実抜計画であれ合実計画であれ、実現可能性が高いものであることが大前提です。いくら素晴らしい改善計画を立てたとしても、それが実行できなければ何の意味もありません。今ある会社のヒト、モノ、カネを使ってできることを考えましょう。

③ リスケの依頼内容

リスケを申し込むからには、その内容もしっかりと盛り込む必要があります。「どうにかしてください」では銀行の担当者も対応できません。なにを?どうしてほしいのか?明確に希望を伝えましょう

作成ポイント

「毎月の返済額を●●万円から✕✕万円に軽減してください」「元金の返済を1年間待ってください」というように、金融機関側に具体的に数字と内容を伝えましょう

注意点

内容はもちろん、その根拠も重要です。「なぜ✕✕万円に返済額を軽減する必要があるか?」「1年間猶予を与えることで、今後の返済にどう影響するか?」を説明できるようにしましょう

④ 各金融機関との取引内容

複数の金融機関と取引がある場合は、金融機関との取引一覧表と、金融機関別の借入金の一覧表も作成しましょう

作成ポイント

複数の金融機関から融資を受けている場合、一斉にリスケの申し込みを行う必要があります。A銀行のみリスケを依頼して、B銀行の返済を続けるということはできません。

注意点

重要なのは透明性と公平性。いくらをどこから借りているのか?明確にしておきましょう。また、特定の金融機関に先に依頼をすると、他の銀行からは「後回しにされた」という悪印象がついてしまいます。必ずリスケは同時並行で進めるようにしてください

⑤ 月次資金繰り表(1年間)

銀行が重要視するのは「リスケして本当に返済してもらえるのか?」ということ。1年先までの月次資金繰り表を作成することで、改善計画により具体性と実現性が帯びます

作成ポイント

「リスケを認めなければ資金繰りがショートする」「リスケによって資金繰りが安定する」という状況を訴えるよう意識して資金繰り表を作成しましょう。

注意点

「これだけ資金繰りが改善できるならリスケの期間を短くできないですか?」と言われる場合もあります。確かにこれは正論かもしれませんが、リスクに備えて事業を継続させるためには自己資金が必要です。また、リスケをすると1~2年は新規借入が難しくなります。手持ち資金もしっかり考慮した上で資金繰り表を作成し、「なぜリスケをする必要があるのか?」を明確に説明しましょう

⑥ 今後5年の中期経営計画

金融庁が金融機関に対して金融検査を行う場合には、融資先企業の5年間の予測損益計算書を確認します。したがって、経営計画書は5年間分作成しましょう

作成ポイント

改善方針や対策案に加えて、売上額や粗利益率、経費削減計画などを記載します。こちらも楽観的な観測によるものではなく、なるべく厳しめな見通しにもとづいて作成しましょう

注意点

金融機関側はリスケを申し込んでくる企業が簡単に経営を建て直せるとは考えていません。楽観的な観測にもとづいて作られた中期経営計画は信憑性が乏しいです。むしろ、数字上は厳しそうに見えても、信憑性がある計画のほうがリスケに成功する場合もあります

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